2022/09/30 宿主のひとりごと 令和4年9月
先日、かみのやま温泉の伝統行事の「踊り出車(おどりだし)」というお祭りが開催されました。
コロナの影響で、昨年と一昨年と中止になりましたので3年振りの開催となりました。
これまで開催されてきた伝統行事なのでご存知の方も多いとは思いますが、踊り手を乗せた屋台を引いて移動しながら市内各所で踊りを披露するお祭りです。
しかし、昨年は開催直前になり中止を余儀なくされました。
今年こそはという事で、伝統的に行われてきたことを大幅に変更して、感染者数が多くなっても開催できる方法を模索しながらの開催となりました。
これまでは長時間のお祭りで、引手は酒を飲みながらでしたが、短時間で酒は禁止してのお祭りとなりました。
また、あらかじめ密にならない場所を決めて、そこでしか踊らないという方法を取りました。
それはそれで面白くない人もいたとは思いますが、主催者側の人間とすると開催できることをまず優先した結果と思います。
そもそも、このお祭りは宝暦2年(1752年)から始まったとされ、始まりの150年くらいは、すっかり有名になった「新庄まつり」のように、人形の飾り屋台であったと伝えられています。
実は「新庄まつり」より歴史は古いのですが、明治時代に入り現在のような人を乗せて踊りを披露する形になったと伝えられています。
戦後途絶えてしまいましたが、40年以上前に当時の上山青年会議所が中心となって復活させ、その後振興会ができて祭りを引き継ぎました。
実は私はその当時からこのお祭りに参加してきましたが、ずっと携わってきた一人でもあります。
なんと今年はこのお祭りが始まってから270年目の節目にあたります。
そんな歴史あるお祭りで、温泉地にふさわしいイベントはこれだけだと思いますので、なんとか永く存続する方向で、変えていかなければならないことと、変えてはならないことを選別して取り組んでいかなければならないと改めて感じた一日でもありました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
お部屋食と温泉貸切風呂
くつろぎの宿 有馬館
館主 須藤 信晴