有馬館について

 
お客様が本当に喜べる旅館へ
長期入院するほどの病を患い、初めて大切なことに気付いたのです。
それは………

私は今まで必死に働いてきました。朝早くから夜遅くまで。いつ寝てるの?と、言われるほど働きました。
有馬館のことのみならず、地域のイベントの企画から運営までも先頭に立って実施してきました。直接有馬館には関係ないことも多々ありました。それでも地域が活性化することで、いずれは有馬館にも反映すると考えておりました。

有馬館は決して高級志向の旅館ではありません。また目指してもおりません。ただ、繁盛旅館と言われたいという一心でした。
しかし、ついに病気になり長期間の療養を強いられました。 でも、この時気付いたのです。よく働いていても、地域のためにがんばっても、本当に大切なお客様の目線を忘れていた時があったことに……

お客様が本当に喜ぶことってなんだろう……?
入院中毎日毎日考えるようになりました。私にとってはいい機会だったと今では思えます。
そして、ようやくあることに気付きました。
それは……

有馬館の魅力をさらに磨きあげること。
こんな簡単なことに気付くのに大変な時間を費やしてしまいました。 お客様に自信を持ってお伝えできること。そんな魅力をひとつひとつ磨き上げることこそが私たち有馬館の目指していることと思います。

お客様が喜ぶ有馬館の魅力ってなんだろうと考えた時、一番先に思いつくのは、朝食・夕食ともお部屋でゆっくりとできることです。しかし、そこには大きな問題がありました。時代はレストランやバイキングなどが流行となっていることです。これは本当にお客様が望んでいることなのでしょうか?
答えはNOです。お客様はお部屋でゆっくりプライベートな空間でゆっくりと食事を楽しみたいのです。これこそが旅館でしか味わえない、本当にお客様が望んでいることと確信しています。
多くの旅館がお部屋での食事を止めています。有馬館はお客様に支持され続けるためにも、このお部屋食を継続してまいります。

もうひとつ、お客様にお伝えしたい大切なことがございます。
それは………貸切風呂です。
有馬館にはバリアフリーの貸切風呂をはじめ趣の違う貸切風呂が計3つと、18時~24時まで時間帯で貸切となる展望露天風呂と合計5つの貸切風呂がございます。
これには5つそれぞれの想いがあります。
はじめにバリアフリーのお風呂「やわらぎ」は、娘が旅館に嫁いでも片足が義足だった亡き義父は、体のことを気にして温泉に入ろうとしませんでした。そんな義父に一番入ってもらうにはどんなお風呂がいいか?設計の段階から検討に検討を重ねました。常連の方やいろんな方に意見を聞いて出来上がったお風呂です。自力でお入りいただける方も、少し介助が必要な方も、無理なく入れる設計です。
次に「貴宝石立湯」は、深さが120センチのところがあり、立っていないと入れないお風呂です。ゆっくり足を延ばして普通に入れるスペースもあります。有馬館では以前からこの「貴宝石」に注目し、全国でも初めて貴宝石パウダーの入ったお風呂がございます。その貴宝石の原石を湯船に敷き詰めて作り上げたお風呂でもあります。また、ナノレベルの泡を発生するシルキーバス装置も完備しており、ナノバブルが毛穴のすみずみまで浸みこみ、元々肌に大変良い上山温泉の効果と相まってお肌がツルツルになります。
次は「パムッカレ」という幻想的で変ったお風呂です。トルコにあります世界遺産「ヒエラポリス」という遺跡のところにある温泉が「パムッカレ」で「綿の宮殿」という意味です。若い頃スイスにて研修していて、休暇でこの「ヒエラポリス」を訪れた際、こんな温泉をいつか作りたいと思ったのがきっかけです。製作にはディズニーランドを手掛けた職人さんが泊まり込みで制作にあたりました。特殊な構造のため何度も何度もやり直しながらようやく完成したものです。「こんなお風呂初めてだー」と言っていただけると本望ですが……
最後に展望露天風呂の時間帯貸切についてです。
冒頭申し上げた、本当にお客様が望んでいることは何だろうということを突き詰めた結果、実施することにしたサービスです。
「この露天風呂を貸切で入れたら最高だよね」という率直なお客様の声を実行に移しただけなのです。当然最初は旅館内でも賛否両論でした。いくらお客様が望んでいることとはいえ、一定の時間帯が貸切となってしまっていいのかという意見でした。

実施の2月以上前からホームページやご案内で貸切実施をPRしました。そして、この考えが間違っていなかったと確信するのに10日もかかりませんでした。貸切にして入っていただいたお客様に感動して喜んでいただけたのです。本当に喜んでいただけたことを励みに、これからも有馬館はお客様に喜んでいただけるよう努力し続けています。
ブログ「宿主のひとりごと
 

有馬館の歴史

大正10年  5月19日
新湯地区で最初に温泉掘削に成功し、温泉湧出
5月
温泉旅館として営業開始 (客室数6室)・湯量豊富な温泉宿として親しまれる
昭和34年  4月
東館客室・宴会場増築(客室数15室)
昭和37年  6月
宴会場改築
昭和44年  8月
南館客室増築(客室数19室)
昭和47年 10月
別館客室増築(客室数23室)
昭和55年  8月
8階建本館増築・宴会場改築(客室数32室)「ホテルニュー有馬館」に名称変更
平成元年  4月
東北初の温泉管理完全自動化システムを導入、並びにアメリカン・スパ(噴流・泡風呂)導入
平成 5年  4月
本館改築・大広間・玄関・ロビー・売店増改築
10月
7階建東館増築(客室数29室)、7階展望露天風呂同時オープン、「展望露天の湯 有馬館」に名称変更
平成 8年  6月
駐車場増設
平成 9年 10月
本館増築(客室数47室)、レストラン・厨房・貸切風呂・離れ棟増改築、金の湯新築・大浴場(貴宝石風呂)改装
平成18年 10月
貴宝石岩盤浴増設
平成19年 10月
貸切露天風呂増設
平成20年  6月
金の湯露天風呂増設・貴宝石岩盤浴サウナ増設
平成22年  7月
貸切露天風呂(パムッカレ、貴宝石立湯)、貸切バリアフリー風呂(やわらぎ)増築、館内リニューアル工事(客室数35室)
平成23年  6月
第2駐車場増設